中国発の世界的株価暴落。
以前からいろいろと取りざたされてきたものではありますが、いざふたを開けてみると「やっぱりすごい」という株価下落でした。
中国の景気減速の気配は数年前からものといわれています。その予兆は資源価格の下落であり、資源国通貨の値下がりとして商品市況や為替市場で徐々にですが、明確化してきたものです。
そしてそういう流れの奥底にあるのが、米国の利上げ、中国からの資金流出です。
中国は少し前まで高度経済成長で世界中からマネーを引き寄せてきました。厳重な資本の移動を管理していてもマネーは中国に入り込んでいましたが、それがいまは逆流して中国から資本逃避をしているというのです。その金額は数千億ドル。人民元をドルと連動させるリスクの顕在化で「人民元引き下げ」が行われたとしかいえません
ところが世界的からは「そんなに中国は悪いのか?」ということになって連鎖株安の引き金を引いてしまった形です。
米国や日本のように情報が開かれた国では、景気指標が正しく発表されています(たぶんかなり正確)。したがってそれに基づいて金融政策や経済政策がとられます。
中国はそのことに疑問符がついています。
たとえば、中国のGDPは今年第1四半期が7.0%、第2四半期も7.0%と発表されました。明らかに景気減速の数値が別に発表されているにもかかわらず、政府目標値である7.0%に合致するとはどういうことなのでしょう。
しかも第2四半期のGDPは6月末から2週間後の7月15日発表で、確定値ということになっています。
日本では「一次速報値」が出るのに1か月半もかかります。広い国土でどうやって集計すればこんなに早いのか?という疑問がもたれるのは当然。
このようなブラックボックスのような景気指標に対して、マーケットが反乱を起こしているというのが現実に今起こっていることなのではないかと思います。
中国の株価対策がまったく効かないのはそういうところに原因があるからと思います。
「本当は何が起こっているのか」わからないような国に、投資をしようとか、通貨を買おうという気持ちを投資家が思うかどうかです。
足元の混乱が収まって欲しいという気持ちが強いものの、やはり根本的な部分で統制を止めるということが必要なのでしょう。
そういう場面がくれば、最近起こった株安どころではない市場の大混乱が起きるのかもしれませんが、改革が一歩でも進むべきではないかと思います。
今後の展開ですが、おそらく
中国では新たな金融緩和追加策、さらに経済対策というものが打ち出されることになるでしょう。
足元では住宅価格が上昇開始しており、意外と足腰が強そうな感じです。年末〜来年にかけては中国経済で明るい話が多く出てくる可能性も期待されます。
中国株については、もともと閉ざされた博打市場です。
一般的には株価は景気の先行指標となっていますが、その点中国は無関係と思ったほうが良いでしょう。