1902年設立の紳士・婦人靴製造・卸・小売の老舗で業績好調が持続しています。
業績急回復
ビジネスシューズ全体の市場は縮小基調ですが、当社はこういう状況下にあっても好調です。
個人消費の回復が鈍く購入単価が上がらないことが市場全体にとってマイナス要因となっていますが、この逆風下でもリーガルは高品質の高級路線を貫いて業績を伸ばしてきました。
現在好調のリーガルコーポレーションですがデフレのなかで苦境を経験、10年3月期決算の最終損益は5億円超の赤字に陥りました。その後は急速に回復して12年3月期には過去最高の最終利益を叩き出しました。
そして前期13年3月期も業績は好調、12年3月期を上回る業績となることはほぼ確実な情勢です。
業績急回復、快進撃の背景は何でしょうか?
やはり最終赤字になった直後に就任した岩崎幸次郎社長のリーダーシップだろうと思います。岩崎社長はリーガルコーポレーション初の製造畑出身ということですが、だからこそ「品質へのこだわり」があるのでしょう。
現在百貨店の販売が3カ月連続で前年同月を上回ってきています。高額品消費が伸びてきているということです。「リーガル」ブランドの価格戦略が支持される環境が一段と整ってきたという感じがします。
先日ある大型店の「リーガル」専門コーナーに行ってみました。品揃えを見ると今後はカジュアルや女性向けの割合が高くなっていきそうだと感じました。
百貨店売上高回復が追い風
このところアベノミクス効果で百貨店の売上高の回復が顕著となってきています。
おりしも「リーガルコーポレーションは、岩崎社長就任後百貨店への卸売り事業を強化してきているところであり、当社業績に追い風となりそうです。
前期業績は上方修正へ
リーガルコーポレーションの前期業績は上方修正可能性大。
第3四半期決算までで当期利益の通期業績予想を超過達成、営業利益も95%の達成率となっちることから、前期業績は上方修正可能性が必至といえるでしょう。
第4四半期(1〜3月)の売上高は90億円前後と予想され、営業利益は7億円前後、当期利益で5億円前後の上乗せが期待されます。
1株利益は70円前後となるのではないかと考えます。
今後は増配期待、高水準のROEにも期待
配当は年3円と低水準ですが、現在の好業績が続けば今後は連続増配も期待されます。
ROE(自己資本利益率)は10%台後半で20%に迫る水準まで上がってきています。
株式市場は日経新聞のキャンペーン効果で、高ROE銘柄への注目が高まってきており、リーガルコーポレーションにもマネーが入ってきているようです。
リーガルコーポレーションはデフレ下で劇的に業績を回復させてきましたが、今後デフレ脱却が本格化すれば業績は現在よりさらに好調になりそうです。
今後は投信、外人買いも
株主構成を見ると投信(3.8%)や外国人投資家(2.3%)の持ち株比率は非常に低く、今後このセクターからの大きな買いが期待されます。
現在の株価はようやくPBRが1倍を超えたばかりの水準(1株純資産は12年末現在383円)。時価総額は130億円前後で今期予想営業利益は30億円(四季報予想)と高水準です。
PERはまだ低く、10倍まで買われても600〜700円という水準。現在の400円台の株価まだまだ割安という感触がします。
株価推移(2年)
なお、リーガルコーポレーションは電子書籍でも取り上げています。
昨年9月発行の「王道銘柄を探せPART1」(当時の株価200円台前半)と
今年1月発行の「バフェット流投資 珠玉の銘柄」(当時の株価300円前後)
の2冊です。
日本株はまだまだ上がりそうですが、そのなかでも景気の好不況に
無関係に上がるということが非常に重要と考えています。
武田甲州の株式投資の王道銘柄を探せPART1
バフェット流株式投資 珠玉の銘柄
なお、東洋経済では3月にリーガルコーポレーションについて
大きく取り上げています。
「リーガルが快進撃を続ける3つの理由」
1902年設立。紳士・婦人靴の製造・卸・小売り老舗、リーガルコーポレーションは業績の好調が続いている。
リーマンショック以降、ビジネスシューズ市場は縮小基調にある。個人消費の回復が鈍く、購入単価が上がらないことが市場へのマイナス要因となっている。この逆風化でも、リーガルは高品質の高級路線を貫き、業績を伸ばしてきた。同社が快進撃を続ける理由は大きく3つある。
理由の1つは、機能性の高い商品の拡充が奏功しているためだ。近年は季節先取りの購入よりも実需期購入の傾向がより強くなっている。リーガルはこの消費者ニーズの変化を捉え、季節商材を的確に投入。12年夏から9月にかけての猛暑期には、サンダル商品を積極展開した。梅雨の時期には、吸汗や速乾性に優れた素材を使用した商品を発売。この冬も、雪の日でも滑りにくい冬底仕様の商品がヒットした。
理由の2つめは、婦人靴の強化である。同社は紳士靴のイメージが強いが、ここにきて婦人靴の売り上げを伸ばしており、直近の婦人靴の売上高比率は約30%にまで高まっている。OL層のリピート率が高い米国ブランド「ナチュラライザー」については女性だけの専門部隊を2年前に新設し、展開を加速。全国12店舗の直営店だけでなく、最近は百貨店などへの卸売も増やす。リーガルブランドで履き心地を重視した「リーガルウォーカー」についても、婦人向けの今期売り上げが前年比で200%という勢いだ。
3つめの理由は、卸売り事業の拡大である。百貨店や専門店に対し、共同企画やコラボレーションなどオリジナルアイテムの提案を積極化し、取扱い店舗数を拡大している。テナントの中にリーガルのスペースを確保する「ショップ・イン・ショップ」という売り場形態も増やしており、現在全国4店舗のみの展開だが、近々もう2店舗増設も視野に入れているようだ。
2010年3月期には最終赤字に転落するなど業績が低迷していたリーガルを建て直したのは、10年4月に就任した岩崎幸次郎社長だ。同社で初めての製造畑出身者である岩崎社長は、消費者の低価格志向が鮮明な状況下であるにもかかわらず、「品質重視の徹底」を経営方針として掲げた。「品質を下げず」「値段を変えず」と社内で宣言し、東北4工場での国内生産を貫いた(現在、国内生産比率は約9割)。精神は“武骨”でありながらも、婦人靴強化などの柔軟な施策を打ち出す。この硬軟併せ持つ戦略が、ここにきて効果を発現しているのだ。
会社は今13年3月期業績について、売上高352億円(前期比0.1%増)、営業利益21億円(同13.7%減)と、減益の計画だ。ただ、足元の販売は順調に推移しており、業績上振れは必至であろう。