2008.01.31 Thursday
東国原知事の企業誘致目標達成は困難
(※他のブログに投稿した文章を転載しています。私は宮崎在住でして、東国原知事誕生を期待して1年前の知事選では投票用紙に「そのまんま東」と記入した有権者の一人です)
当選後の東国原知事は、期待にたがわぬ八面六臂の大活躍ですが、県民が最も期待するマニュフェスト項目である企業誘致目標は達成できるとは思われない状態です。日本が抱える根本的な問題があるためです。
東国原知事の企業誘致目標達成は困難
(企業誘致促進にはまず国レベルで法人税率引下げを)
宮崎県は東国原知事の登場以来ずいぶんと元気が出ているはずですが、実は昨年12月の有効求人倍率は3ヶ月連続低下して0.62倍(全国都道府県中40番目)でしかなく、企業による求人数は以前より減少してきています。今後も状態がよい方向に向かいそうにはありません。
知事のマニュフェストにある4年間で「新規立地企業100社、新規雇用創出1万人の実現」につきましても、誘致セミナーを熱心に実施していますが、あまり順調とはいえないようです。企業誘致が伸びない理由として、道路などのインフラ整備が進んでいないことがよく挙げられていますが、本当の要因は別にあります。
それは日本という国が「投資されない国、投資したくない国」になっているからです。日本にいると全く実感がありませんが、実はこの5年間ほど世界は高度成長が続いていて、世界中が好景気に沸いていたといっても過言ではありません。そのような大活況の中で日本だけがポツンと取り残されていたのです。
日本が「投資されない国、投資したくない国」であることの最大の要因は、わが国の法人税率の高さにあります。企業経営者の立場から考えればわかることですが、現在のようなグローバル化の時代にあっては企業立地は世界中どこでもできますし、いくつかの候補地と思われるなかから税引き後のキャッシュフローが大きい国に立地すればよいと考えるわけです。
経済がグローバル化するなかで、企業も同時にグローバル化しています。このようななかで、企業誘致を進めるには法人税率を引き下げて誘致競争で優位に立つか、最低でも同水準にしなければなりません。
法人税率引下げで成功した国の代表はアイルランドでしょう。1993年の法人税率は40%でしたが徐々に引き下げて現在は12.5%となっています。法人税率引下げは内外企業による旺盛な投資をアイルランド国内に呼び込みました。それによってアイルランド経済は大きく成長してきました。年によっては成長率12%を記録したときもあります。もちろんその間に一人当たりGDPも伸びて、現在では日本よりもはるかに上になっています(1990年の13458ドルから2006年には52244ドル。日本は同時期に24606ドルが34125ドル)。
日本の法人税率は40%強。20%台後半という法人税の世界の平均的水準からみると際立って高く、日本への投資はそれだけで高コストであることがわかると思います。
日本がこのような企業に厳しい税制を続ける限り、雇用も賃金も伸びることは期待できません。したがって今後も世界に取り残されたような傾向は続くと思われます。日本企業の海外直接投資は今後も続きますが、国内への立地は減少していくでしょう。海外企業の日本立地もほとんど進みません。日本以外の法人税率の低い国に立地すれば、税コストを段違いに安くすることができるからです。
ということで、残念ですが東国原知事の企業誘致目標は未達に終わるだろうと予測されます。企業がどんどんと進出して雇用を増やし、地域経済の成長性を高め、さらに暮らしを良くしていくにはまず世界最高水準にある日本の法人税率を引き下げることが最も肝要なことであることを理解すべきだと思います。
私はこのような政策がいち早く実現することを願っています。そうなれば、もしかして東国原知事のマニュフェスト達成も可能なのかもしれません。
以上です。
当選後の東国原知事は、期待にたがわぬ八面六臂の大活躍ですが、県民が最も期待するマニュフェスト項目である企業誘致目標は達成できるとは思われない状態です。日本が抱える根本的な問題があるためです。
東国原知事の企業誘致目標達成は困難
(企業誘致促進にはまず国レベルで法人税率引下げを)
宮崎県は東国原知事の登場以来ずいぶんと元気が出ているはずですが、実は昨年12月の有効求人倍率は3ヶ月連続低下して0.62倍(全国都道府県中40番目)でしかなく、企業による求人数は以前より減少してきています。今後も状態がよい方向に向かいそうにはありません。
知事のマニュフェストにある4年間で「新規立地企業100社、新規雇用創出1万人の実現」につきましても、誘致セミナーを熱心に実施していますが、あまり順調とはいえないようです。企業誘致が伸びない理由として、道路などのインフラ整備が進んでいないことがよく挙げられていますが、本当の要因は別にあります。
それは日本という国が「投資されない国、投資したくない国」になっているからです。日本にいると全く実感がありませんが、実はこの5年間ほど世界は高度成長が続いていて、世界中が好景気に沸いていたといっても過言ではありません。そのような大活況の中で日本だけがポツンと取り残されていたのです。
日本が「投資されない国、投資したくない国」であることの最大の要因は、わが国の法人税率の高さにあります。企業経営者の立場から考えればわかることですが、現在のようなグローバル化の時代にあっては企業立地は世界中どこでもできますし、いくつかの候補地と思われるなかから税引き後のキャッシュフローが大きい国に立地すればよいと考えるわけです。
経済がグローバル化するなかで、企業も同時にグローバル化しています。このようななかで、企業誘致を進めるには法人税率を引き下げて誘致競争で優位に立つか、最低でも同水準にしなければなりません。
法人税率引下げで成功した国の代表はアイルランドでしょう。1993年の法人税率は40%でしたが徐々に引き下げて現在は12.5%となっています。法人税率引下げは内外企業による旺盛な投資をアイルランド国内に呼び込みました。それによってアイルランド経済は大きく成長してきました。年によっては成長率12%を記録したときもあります。もちろんその間に一人当たりGDPも伸びて、現在では日本よりもはるかに上になっています(1990年の13458ドルから2006年には52244ドル。日本は同時期に24606ドルが34125ドル)。
日本の法人税率は40%強。20%台後半という法人税の世界の平均的水準からみると際立って高く、日本への投資はそれだけで高コストであることがわかると思います。
日本がこのような企業に厳しい税制を続ける限り、雇用も賃金も伸びることは期待できません。したがって今後も世界に取り残されたような傾向は続くと思われます。日本企業の海外直接投資は今後も続きますが、国内への立地は減少していくでしょう。海外企業の日本立地もほとんど進みません。日本以外の法人税率の低い国に立地すれば、税コストを段違いに安くすることができるからです。
ということで、残念ですが東国原知事の企業誘致目標は未達に終わるだろうと予測されます。企業がどんどんと進出して雇用を増やし、地域経済の成長性を高め、さらに暮らしを良くしていくにはまず世界最高水準にある日本の法人税率を引き下げることが最も肝要なことであることを理解すべきだと思います。
私はこのような政策がいち早く実現することを願っています。そうなれば、もしかして東国原知事のマニュフェスト達成も可能なのかもしれません。
以上です。