もうすぐ新年度入りです。
3月期末決算銘柄は3月28日から4月受け渡しとなります。
今日は4月以降の相場の見通しを考えてみました。
テーマは「脱デフレ・業績相場」
日銀の量的緩和が解除されたことにより、「みんなで買うから上がる」式の「過剰流動性相場」は終了したと考えています。それにより今後は
「脱デフレ・業績相場」という新たな相場の局面に移行するものと思います。
今後の相場のキーワードは、投資スタンスとしては好業績割安銘柄を選択するオーソドックスな投資スタイルであり、
相場のキーワードとしては、M&Aというものが注目を浴びてくるのではないでしょうか。
好業績・割安株に投資するというのは当然なことなのですが、大型優良銘柄に好業績かつ割安な銘柄がこれだけ多いというのは、私が今まで20数年有価証券に携わってきて多分初めてです。
割安好業績株を探しますと、PERが10倍台の銘柄が多い自動車株や大手鉄鋼株は魅力がありますし、液晶パネルやプラズマディプレーパネル向け素材で高シェア企業の多い化学銘柄も低PERの割安銘柄が多数あるようです。最近高値をとり続けているキャノンもPERは16倍前後と割高感はありません。
また、これらの優良企業が好業績を背景に株主還元の動きを強めていることも投資価値を高めているように思います。
それから、今年5月1日には新会社法が施行されることになりました。これにより従来よりも企業の買収・合併(M&A)が簡単にできるようになります。外国人による日本企業買収は1年先延ばしになっていますが、今後M&Aというものが市場での注目度を高めるのは間違いありません。
現状で買収ターゲットにならないといわれているのは「トヨタ自動車」のみといわれています。逆に言えばトヨタ以外は買収ターゲットになる可能性があるということです。
従来は、買収ターゲットは「PBR(株価純資産倍率)が1倍割れの銘柄」というのが定番でしたが、ごく最近のソフトバンクによるボーダーフォン日本法人買収(金額1.75兆円)をみるように、今後、買収企業の事業戦略に基づく大型買収が加速的に増加すると思います。
このようななかでは金融や通信、薬品、機械や鉄鋼、電機、精密などに属する企業が買収ターゲットになってくる可能性が高いと思います。
産業界は世界的な再編が起こっており、日本企業だけが蚊帳の外に置かれることはないはずです。このようなM&Aが起こるときは株価の再評価がなされるときでもあります。M&Aの増加=株価の再評価=株価上昇ということを今から考えていた方がよいでしょう
ちなみに米国ではM&Aに関連したファンド(MBOファンド、LBOファンドと呼ばれています)の組成が盛んに行われており、兆円単位の資金が迅速かつ簡単に集まってきているとの事です。
また、大きな資金の流れとしましてはオイルマネーの流入が期待されそうです。原油相場WTIの市況は1バレル=60ドル前後で安定的に推移しています。サウジの王族には個人で1兆円以上の株式投資をしている人もあるそうですが、お金の使い道に困った資金が割安な大型優良株を買ってくることが大いに期待されそうです。