景気回復のメリットをもっとも享受する産業。それは銀行業界だ。
銀行は不良債権処理はほぼ終了してきており、景気回復が本格化すればさらに不良債権が減少する。引当金計上先(不良債権先)が良化すれば引当金繰り戻し益も発生する。これは非常に良い循環といえる。
さらに長期金利が上昇すれば預貸金利差が拡大するので収益の大幅向上につながる。かつては贅沢な保養所やグラウンドなど無駄な資産を大量に保有していたがこれらはすでに売却済み。業務収益がそのままストレートに業績に反映されるようになったきている。
株価堅調も追い風になっている。期末株価の値下がり分の償却を恐れる必要もない。逆に保有株の評価益が拡大してきているようである。
これまでは銀行の内部体質改善をてこに株価が買われてきたが、これからは収益向上が株価を押し上げることになると思う。
今回の景気回復は本物であると自分は思うが、そうなると銀行株が相場の柱になるだろう。かつて日本興行銀行株は株価5000円(現在の株価に直すと500万円)もしていた。現在はみずほFGと姿を変えているが60万円前後の株価はまだ相当の上昇余地があるのではなかろうか。
日本産業界のラストリゾート(最後の拠りどころ)だった銀行界はバブル崩壊で日本経済のマイナス部分の縮図となったが、今度は時計の針が逆回りするように復活していくのだろう。株価はその後追いをするだけである。